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最終更新日:2026年1月9日

香川県立ミュージアム10周年記念コレクション展 目からうろこのミュージアム!

特集

香川県立ミュージアムは美術館と歴史博物館の機能を合わせ持つ総合的なミュージアムとして開館して今年で10年を迎え、収蔵する美術作品、歴史・民俗資料の数は、今では30万点にものぼります。

今回、開館10周年を記念し、ミュージアム学芸員“イチオシ”の、目からうろこの収蔵品をPart I・II 2つの会期に分けそれぞれの展示で紹介します。Part Iは「いろ・かたち、わくわくのひみつ」として、日本で古くから暮らしの中に取り入れられてきた色、赤・黒・白・金のものや、変わった形やおもしろい形の資料・作品から、わくわくする色と形の魅力と不思議に迫ります。一方Part IIでは「いつものくらし これ、いいね。」として、ちょっと昔の衣・食・住に関わる資料を、オシャレでモダンな空間に再現します。

PartI (いろ・かたち、わくわくのひみつ)

写真1 飛龍丸の御座の間の装飾(再現) 写真提供:丹青社 撮影:ヴィスタジャパン 廣崎節雄

第1章 光かがやく特別な色、金

金は光り輝く美しさから人々の心を魅了し、古くから権力や財力の象徴とされてきました。第1章では、お殿様の好んだ豪華な金の調度品や金色で表現された仏の姿、また金で彩られた作品などを紹介します。

【写真1】は江戸時代の絵図をもとに実物大で再現した、高松藩の御座船、飛龍丸の御座の間です。御座船とは大名専用の船のことで、高松藩では主に参勤交代で江戸へ向かう際に使用されていました。御座の間は船の中で藩主が過ごしていた場所です。その内観は床の間や襖、天井に至るまで金砂子(金箔を細かく砂状にしたもの)などを用いてきらびやかに装飾されており、大名の威厳を感じさせます。

金彩によって華やかに装飾され、ふっくらと丸みを帯びた表面には、波立つ水面を優雅に泳ぐ鳥や、水辺にゆれる植物が繊細な線で彫られている。
写真2 北原千鹿「金彩遊禽水指」昭和15年(1940)頃

第2章 白と黒、モノトーンの世界

白と黒は、誕生・結婚・死などの人生の節目に深く関係しています。第2章では、人の一生に関わる白と黒の衣類や道具、白と黒のモノトーンで表現された作品の世界を紹介します。

【写真3】の白無垢は現在でも婚礼の際に花嫁が着る衣装です。なぜ花嫁衣装は白なのでしょうか。「嫁ぎ先の色に染まります」という説もありますが、白は清らかで穢れのない色、また「死」や「他界」を示す色ともとらえられていました。女性は相手の家に嫁ぐ際一度死に、婚家の嫁として新たに生まれ変わると考えられていたため、「死」を象徴する白を身に付けるようになったようです。現代では黒が主流の喪服も、かつては白い装束が着用される地域でもありました。

【写真4】は秋山泰計作「筋のない話」という木版画の作品です。画面の中には、人、牛、馬、猫、鳥、魚…たくさんの動物がひしめき合っています。白い部分を見ていると、同時に黒の部分の形が見えてくるだまし絵のよう。泰計らしい力強く迫力ある彫りの跡にもご注目ください。

写真3 白無垢 昭和時代
写真4 秋山泰計「筋のない話」 昭和44年(1969)

第3章 赤のパワー

赤は炎や血の色であり、太陽の色にも通ずることから神聖視され、古代より呪いや厄除けなどに使われてきました。第3章では、赤い色の器や郷土玩具などの資料や太陽や炎といった赤を題材にした作品から、赤のもつパワーに迫ります。

【写真5】の錦絵は、平賀源内作の浄瑠璃「神霊矢口渡」の登場人物、船頭頓兵衛を市川団十郎が演じた姿を描いています。赤の隈取は「荒事」の様式として初代市川団十郎が創始したとされており、もともとは顔の血管や筋を大げさに表現したもので、勇気や超人的な力強さを象徴しています。

※超人的な力を、武勇・豪快・凄味などを誇張して表現する演出

写真5 豊原国周「市川団十郎演芸百番 船頭頓兵衛」明治31年(1898)

第4章 おもしろい形、ふしぎな形

第4章では、ちょっと変わった形の武具や調度品、そして動きが感じられる形の彫刻や書、絵画を紹介します。

展示資料の中には、【写真6】のようにかなり印象的な見た目のものもあります。その名も「獏枕」。枕のデザインになっている獏は中国から日本へ伝わった架空の動物で、人の夢を食べると考えられていました。悪夢を見た際に獏枕に頭を乗せると獏の口が開き、獏が悪い夢を食べてくれるというまじないに使われていたようです。歯の部分は動物の骨が用いられており、一度見たら忘れられないインパクトがあります。

PartⅡ 「いつものくらし これ、いいね。」

日本ならではの身近な習慣や風習、行事などに使われていた服飾や食器などを現代風にアレンジして、オシャレに展示します。時空を超えた不思議体験をお楽しみください。詳しい展示内容は次号NEWSでご紹介します。

(主任主事 岡本由貴子)

*写真はすべて当館蔵

写真6 獏枕 高松藩御用商人松屋資料 伝桃山時代
写真7 堀内正和「箱は空に帰っていく」 昭和41年(1966)
箱の中にはまた小さな箱が…反復する形の中にも、少しずつ手から箱が離れていく変化が感じられる

展覧会情報 香川県立ミュージアム10周年記念コレクション展 目からうろこのミュージアム!

8月4日(土)~11月25日(日)

PartI いろ・かたち、わくわくのひみつ

8月4日(土)~9月24日(月・祝)

会場

特別展示室

開館時間

9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
※夜間開館:8月10日、9月21日 ~19:30

休館日

月曜日(ただし8月13日、9月17日・24日は開館)、9月18日(火)

観覧料

(全会期共通)一般800円/団体640円
(各会期)一般500円/団体400円
高校生以下、65歳以上、身体障害者手帳等をお持ちの方は無料

関連イベント 展覧会関連イベント盛りだくさん!

p.8 インフォメーション欄もご覧ください

コンサート「いろ・かたち、わくわくコンサート」

当日先着順 参加料無料

歌やパネルシアター、楽器の生演奏など、子どもから大人まで楽しめます。

日時

9月17日(月・祝) 13:30~50分程度

場所

1階 図書コーナー

演奏者

みゅーじっくすぺーす・コモド

定員

80名(多数の場合は立見可能)
※開演30分前より受付開始

ミュージアム・トーク

展示担当者が見どころをご案内します。

申込不要

参加料無料(特別展観覧券必要)

日時

昼の部 8月26日(日)、9月2日(日)、9日(日)、23日(日)
各日13:30~30分程度
夜の部 8月10日(金)、9月21日(金)
各日18:00~30分程度

キッズ・トーク

子どもを対象に、いろとかたちを体感できるツアーです。

当日申込

参加料無料(保護者は特別展観覧券必要)

日時

8月5日(日)、25日(土)、9月22日(土)
各日14:00~30分程度

対象

小学生(小学3年生以下は保護者同伴)

定員

各回15名

申込

当日受付(各回15分前から受付開始)

育児の日関連イベント 「育児の日おやこ・ツアー」

日時

9月19日(水)
午前の部 10:30~11:30/午後の部 14:00~50分程度

事前申込

保護者の方は育児の日割引があります。
詳細は展覧会チラシ・ホームページをご覧下さい。