Vol.42 展示室だより
常設展示室 1 明治150年関連企画 高松藩の明治維新 —新時代を生きた侍たち—
10月2日(火)〜12月24日(月・祝)
明治4年(1871)7月、廃藩置県により高松藩は廃止され、高松県が設置されました。同年11月には、高松県と丸亀県を統合して香川県(第1次)が設置されますが、その後香川県は名東県(現在の徳島県)や愛媛県に編入され、現在の香川県(第3次)が誕生したのは全国で最も遅い明治21年(1888)12月のことでした。
廃藩後、旧藩主松平頼聰は東京へ移住し、華族として新たな道を歩むことになり、旧藩士たちも家禄の廃止などによって、それまでと違う生き方を模索せざるを得なくなります。
このような激動の時代、旧高松藩の「侍」たちは、大きな変革の波にもまれながらも、香川県の分県独立や次世代を担う郷土の人材育成のために奔走するなど、懸命に新しい時代を生きようとしていました。
本展では、明治前期の高松を中心とした香川県内の動きや、その時代を生きた旧高松藩主・藩士たちの姿を紹介します。
(主任専門学芸員 野村 美紀)

ミュージアムトーク
10月20日(土)、11月24日(土)、12月8日(土) 13:30〜
同時開催
パネル展「没後100年 香川県独立の父 中野武営とその生涯」
常設展示室 2 アート・コレクション 20世紀の美術Ⅱ
10月10日(水)〜12月24日(月・祝)
目を閉じた静かな表情、一際明るい光輪、厚く絵具を塗り重ねたこの作品はキリストをモデルに描かれました。熱心なカトリック教徒だったジョルジュ・ルオー(1871〜1958)は生涯にわたり宗教的な題材をもとに多くの作品を残しました。キリストを描いた作品が目立ってくるのは第1次世界大戦の頃(1910年代)からです。ルオーは戦争という非人道的な行為が行われている中で神を自分の心の中に見出しました。20世紀初頭はヨーロッパ美術の1つの転換期であり、キュビズムやフォービズム、ドイツの表現主義など様々な運動や主義が起こりましたが、その中でルオーは試行錯誤を繰り返し自らの表現を模索していきました。
ルオーはパリに生まれ、貧しい職人の家に育ちました。14歳の時ステンドグラスの工房で修業をするかたわら、国立装飾美術学校に通い、画家への道を志し始めます。ルオーはピエロ、キリスト、娼婦、労働者などの主題をステンドグラスを思わせる黒の太い輪郭線によって描きました。ルオーが生涯にわたって描き続けたキリストはルオーの内なる神であり、ルオーはまたキリストを描くことで救われていたのかもしれません。
本展ではルオーをはじめ、所蔵作品の中から20世紀の美術について紹介します。
(学芸員 高嶋良子)

(c)ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 G1428
ミュージアムトーク
10月13日(土)、11月10日(土) 各13:30〜