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最終更新日:2026年1月9日

特別展紹介 香川県陶芸協会創立50周年記念展 やきものが好き!! アートも好き。

特集

本展は縄文時代から江戸時代の「讃岐のやきもの」と、現代の地元作家が作る新たな「讃岐のやきもの」を展示し、古来、「やきもの」の国として栄えてきた歴史や伝統、またその精神を受け継ぐ現代作家の姿を紹介する展覧会です。当館と香川県陶芸協会との共同企画で開催します。

【理兵衛焼】亀甲形大香合 紀太理兵衛 江戸時代 当館蔵

やきものと食べもの

日本のやきものは、縄文時代草創期(約16,000年前)に木の実などをゆでて食べられるように、また食べやすくするための調理具として生まれたと言われています。香川県で出土したものでは縄文時代早期(約8,000年前)のものが最も古く、やはり煮炊きなどの道具として使われました。以来、やきものは調理具、食器、食材の保管容器など、その多くが食に関わる道具として使われ続けています。

江戸時代の個性的なやきものと現代

香川県は古代に須恵器を税として都へ納めたり、綾川町にある十瓶山窯跡群で作られた須恵器の壺や甕が西日本各地で広く利用されたりするなど「やきものの国」として栄えましたが、再び盛んになるのが江戸時代です。

この時代には高松藩の御用窯である理兵衛焼と讃窯、独特のデザインと技法をもつ源内焼や屋島焼など、地域の歴史や風土に根差した新たなやきものが誕生しました。

そして、これらのやきものは現在でも地元作家に大きな影響を与えています。

「アート」なやきもの

やきものは形を自由に作ることができるため、誕生以来、様々な形やデザインのやきものが作られてきました。また、生産設備や制作技術などの発展により、江戸時代には真っ白な磁器や多彩な釉薬を用いた華やかな陶磁器も生まれました。

その後、明治時代以降、主に鑑賞を目的とした製品がさかんに作られ、さらに戦後には立体的なやきものによるオブジェも出現しました。このように「アート」作品としてやきものを制作する動きは現代につながっています。

本展ではやきものが縄文時代に食の道具としてはじまり、江戸時代に形・デザイン・色彩が多様化し、個性的なやきものが盛んに制作され、大きく発展したこと、そして現在では食器などの道具だけでなく、作家が伝統を大切にしながら、自分らしい表現にこだわって制作するやきものも現れた歴史を、現代作家の作品とともに紹介します。

身近なやきものに込められた歴史と美を楽しみながら、さらに親しんでいただく機会となれば幸いです。

(文化財専門員 長井 博志)

【讃窯】乾山写雲錦鉢 仁阿弥道八 江戸時代後期 当館蔵
【源内焼】三彩花文手付小碗付連鉢 江戸時代中期以降 当館蔵

展覧会情報 香川県陶芸協会創立50周年記念展
やきものが好き !! アートも好き。

平成31年3月5日(火)〜3月17日(日)

開館時間

9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)

観覧料

一般500円(本展のみ、常設展は別)

会場

特別展示室