vol49 収蔵品紹介
香川県指定有形文化財 高松城下図屏風

当館は、前身である香川県歴史博物館の整備に伴って、高松藩主松平家に伝来する5,000点をこえる歴史資料を一括して収蔵しました。この屏風は、そのうちの1点で、寛永19年(1642)に初代藩主となった松平頼重(1622〜95)が生きた時代、17世紀中頃の高松城下の様子が詳細に描かれています。八曲一隻の大画面には、瀬戸内海に面し、三重の堀で囲まれた高松城とその周囲に広がる城下町のほぼ全体を収め、左下隅には屋島、右上隅には石清尾八幡宮が意図的に描き込まれています。
高い視点から、地図の上に景観を絵画的に立ち上げる手法で描かれた都市図屏風の代表作とされていますが、細部に目を凝らしてみると、登城する武士の姿、商店ごとに異なる暖簾や店先の商品、井戸での水くみや、製塩作業、餅つきをする人々、荷物を運ぶ馬や首輪を付けた犬など数えきれないほどの人物や動物が随所に描かれており、当時の人々の暮らしぶりをうかがい知ることができます。
本資料は、展示して見ていただくほかに、常設の歴史展示室の映像ではコンピューターグラフィックを交えて屏風に描かれた世界を体感していただくことができます。また、江戸時代の学習に役立てていただくため、複製教材を開発して学校への貸出も行っています。このように、開館以来幅広く活用されてきた、当館を代表する収蔵品の一つです。
(学芸課長 野村 美紀)



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