vol60 収蔵品紹介
香川県指定有形文化財 青貝微塵塗鞘および大小拵
刀剣の刀身を覆う外装のことをまとめて拵といい、実用性とともに見た目にも工夫がこらされました。大刀と小刀(刀と脇指)の外装の意匠等を揃えるのも工夫のひとつで、揃えた拵を大小拵といいます。
本作品では、鞘に細かく砕いた貝(鮑貝や夜光貝)が漆で塗りこめられ美しい輝きをみせています。手で握る部分である柄に取り付けられた金具(縁頭・目貫)や小刀に付属する笄(髪を整える道具)、小柄(小さな刃物)は、江戸時代後期の高松藩の御用金工・三谷茂義の作で、高い技術がうかがえます。
本作品は、刀剣にも造詣が深く、香川県の銃砲刀剣類登録審査員を務めた、彫刻家・新田藤太郎氏が所有し、その指導を受けた田尾壱良氏に譲られました。田尾氏も県の登録審査員を長く務め、そのかたわら郷土刀の研究に尽力されました。寄託により当館が保管していましたが、このたび当館に寄贈されたことで、香川県所有の文化財となりました。
(主任専門学芸員 御厨義道)

※画面下側にみえるのが、笄と小柄
