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最終更新日:2026年1月9日

ミュージアムガイダンスvol.50 博物館の消化設備

ミュージアムガイダンス

博物館は、収蔵した資料を次の世代へ伝えていくため、適切な設備を備え、日々、職員が目を配り管理しています。今回は、そのための設備のうち、消火設備について紹介します。

一般的に、消火というと、スプリンクラーなどの水消火や、消火器などの粉末消火を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、博物館で火災が発生した際、水や粉末で消火すると、たとえ焼失を免れたとしても、資料や作品が水浸しになったり、粉末で汚れたりして、復旧が難しくなります。そのような二次被害を避けるため、博物館施設では、ガス系消火設備を備えているところが多くあります。ガス消火の場合、ガスで資料や作品が汚損されることがなく、施設の復旧も比較的速やかに行うことができます。

当館の収蔵庫・展示室では、イナージェンガス消火システムを備えています。イナージェンガスとは、窒素、アルゴン、二酸化炭素の混合ガスで、室内の酸素濃度を低下させることにより消火します。

ガス系消火設備のガス容器については、設置後、一定年数を経過するまでの間に容器弁の安全性を点検する必要があります。平成11年(1999)に香川県歴史博物館として開館した当館も、その点検を行う時期となり、今回、令和5、6年度の2ヵ年にわたり、新しいガス容器に交換することとなりました。当館の収蔵庫・展示室消火のために備えているイナージェンガス容器は125本(その他、起動用二酸化炭素容器20本)にのぼるため、2ヵ年にわたって国費補助事業として、文化庁の指導のもと実施しています。

県民のみなさまにとっても大切な博物館の資料・作品を守るため、適切な設備更新にも取り組んでいます。

(主任専門学芸員 髙木 敬子)

ガスボンベ室に並ぶイナージェンガス容器

行ってきま〜す 当館収蔵品の館外展示情報です。

巻七(部分)

重要文化財
「法華経」
8巻のうち、巻三、巻四、巻五、巻七

中之島香雪美術館「法華経絵巻と千年の祈り」

10月5日(土)~11月24日(日)

「写生画帖」菜蔬(部分)

香川県指定有形文化財
「高松松平家博物図譜」(当館保管)のうち「衆芳画譜」薬草第二、薬草第三、「写生画帖」菜蔬
穆公遺事(瀬戸内海歴史民俗資料館蔵)

根津美術館「百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉」

11月2日(土)~12月8日(日)