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最終更新日:2026年1月9日

第71回日本伝統工芸展

特集

新春を彩る特別展として、香川県立ミュージアムでは第71回日本伝統工芸展を開催します。重要
無形文化財保持者(人間国宝)の作品41点をはじめ、受賞作品及び四国在住作家の入選作品など、
計220点をご覧いただけます。

日本伝統工芸展について

昭和25年(1950)、文化財保護法が施行され、有形文化財とともに、歴史上、芸術上、とくに価値の高い工芸技術を、国として保護し育成することになりました。そして、先人から受け継いだ優れた技術を一層錬磨し、今日の生活に即した新しいものを築き上げることを目的として、昭和29年より開催されているのが日本伝統工芸展です。以降、今回で71回を迎えます。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門にわたり、厳しい鑑査を経た入選作品が、私たちに伝統工芸の技と美、作家の創造力を伝えます。

図1 山下義人(重要無形文化財保持者)蒟醬食籠「オーロラ」

香川と日本伝統工芸展

香川には、江戸時代後期に高松藩の御用をつとめた玉楮象谷から始まった香川漆芸(讃岐漆芸とも)があります。昭和29年には、香川の漆芸の技法を保存し後進の育成と技術の向上を目的に、香川県漆芸研究所が設置されました。このように伝統工芸の技と美が発展した香川では、昭和32年に第4回展(於 高松市美術館、三越高松支店)が初めて開催され、第6回展(於 高松市美術館)以降は、毎年度開催し、伝統工芸の魅力を伝える機会を設けています。

図2 大谷早人(重要無形文化財保持者)籃胎蒟醬飾箱「紫空」
図3 日本工芸会総裁賞原智 鐵地象嵌花器 〔金工〕
図4 高松宮記念賞 満丸正人 木芯桐塑和紙貼「あかばな」〔 人形〕
図5 文部科学大臣賞 角間泰憲 神代杉造箱(木竹工)

新春を彩る特別展として、香川県立ミュージアムでは第71回日本伝統工芸展を開催します。重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品41点をはじめ、受賞作品及び四国在住作家の入選作品など、計220点をご覧いただけます。

図6 東京都知事賞 遠藤あけみ 型絵染着物「あすなろの森」(染織)
図7 NHK会長賞 高橋朋子 五金彩鉢「游ぐ月」(陶芸)
図8 朝日新聞社賞 松崎森平 螺鈿堆錦箱「汽水域」(漆芸)

第71回展の見どころ

当館では、漆芸部門の全77作品(遺作含む)が展示されることが見どころのひとつです。これは、全国11会場の中でも東京と香川のみで、またとない貴重な機会です。香川県在住の重要無形文化財「蒟醬」保持者山下義人の蒟醬食籠「オーロラ」(図1)、同じく大谷早人の籃胎蒟醬飾箱「紫空」(図2)、令和5年に逝去した磯井正美の遺作(表紙)を展示し、技と美を紹介します。このほか、香川漆芸独自の技法である蒟醬、彫漆、存清の工程見本も展示します。

受賞作品16点も一同に揃います(図3~8)。そのうち、日本工芸会総裁賞を受賞した原智の鐵地象嵌花器(図3)は、蝶の羽の鱗粉のイメージという深い黒の鉄地に無限に連続する印象紋様を象嵌で表現した金工作品です。そして、高松宮記念賞を受賞した満丸正人の木芯桐塑和紙貼「あかばな」(図4)は、繊細な光沢を宿す打掛をまとった琉球の踊り子が、こちらに微笑む表情に魅了されます。

当館では、四国在住の入選作家による漆芸10点(全て香川在住)、陶芸4点(香川2、徳島1、愛媛1)を含む漆芸77点、陶芸38点、染織21点、金工27点、木竹工21点、人形13点、諸工芸23点を含む220点が皆様を迎えます。

また、連携企画として収蔵品による常設展示「香川の人間国宝」も同時開催します(4頁)。

ぜひあわせてお楽しみください。

(主任学芸員 日置 瑶子)

展示会情報 |特別展|第71回日本伝統工芸展

会期

令和7年1月2日(木)~1月19日(日) 会期中無休

開館時間

9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで) 

会場

特別展示室、常設展示室4・5ほか

観覧料

一般700円、前売・団体560円

※高校生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料 特別展観覧券で常設展がご覧いただけます。

図録情報

160頁あまりのカラー頁に全入選作品の写真が掲載されています!会期中、1階ミュージアムショップにて販売。2,200円(税込)。