文化と歴史
高松藩が育んだ城下町文化や、海に臨む高松城の歴史を間近に感じられる香川県立ミュージアム。
瀬戸内の自然と人々が紡いできた豊かな文化をたどる旅をお楽しみください。
香川県立ミュージアムでめぐる瀬戸内の文化と歴史
JR高松駅や高松港からほど近い香川県立ミュージアムは、玉藻公園(高松城跡)や県民ホールと並ぶ文化・歴史ゾーンにある総合的な博物館です。古代の出土品から高松藩の城下町文化の資料や、香川にまつわる近現代の美術作品まで、歴史・民俗・美術に関する幅広い展示を通して香川の歩みを知ることができます。
当館とあわせて周辺を散策すれば、香川の歴史と文化を感じるひとときが過ごせます。

高松藩が花開かせた城下町文化
松平家12万石と産業振興
江戸時代に高松藩を治めた高松松平家は地域の産業振興に力を注ぎました。
5代藩主松平頼恭(まつだいらよりたか)は、白砂糖づくりを奨励し、和三盆糖の製造技術を生み出しました。
また、9代藩主松平頼恕(まつだいらよりひろ)は、坂出で大規模な塩田を開発しました。和三盆糖や塩の生産は高松藩の重要な財源になるとともに、今日の香川のものづくりや地場産業の土台を築きました。
城下町に息づく行事と工芸
高松城の城下町ではさまざまな文化と技が育まれ、今に受け継がれています。なかでも讃岐漆芸は玉楮象谷(たまかじぞうこく)が蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)の三技法を確立し、日本を代表する工芸の一つとなりました。また、秋祭りでの勇壮な獅子舞や風情ある高松盆栽は、市民の生活に根づき豊かな伝統文化を作り上げています。
海に臨む名城・高松城
日本三大水城の歴史
高松城は日本三大水城の一つと言われ、1588年に豊臣秀吉の家臣・生駒親正(いこまちかまさ)によって築かれました。堀には海水が引き込まれ、海と城が一体となった独自の景観を生み出しています。その城の設計は、瀬戸内海における制海権を強く意識したものであり、交通と防衛の要衝として大きな役割を果たしてきました。玉藻公園では、現在、この堀を和船で巡る「城舟体験」を楽しむことができます。
現存遺構と見学ポイント
玉藻公園には⾉櫓(うしとらやぐら)・月見櫓(つきみやぐら)・水手御門(みずてごもん)といった重要文化財が残り、往時の威風を感じることができます。当館は高松城東ノ丸の跡地にあり、建設のときに行われた発掘調査では、大正時代に埋め立てられた石垣が発見されました。東口では発掘で見つかった
1671年頃の石垣を見ることができます。石垣は元の高さに復元し、周囲には水を張り、お掘りのようなデザインにしています。

多彩に広がる展示
弘法大師空海と四国遍路
現在の香川県善通寺市で生まれた弘法大師空海の生涯を、国宝・重要文化財の忠実な複製資料で紹介。空海ゆかりの京都・東寺の灌頂院(かんぢょういん)をモデルにした厳かな雰囲気の中で、その功績をたどることができます。

約2万年の香川の歴史
原始から近現代まで、約2万年の香川県の歴史を大型の立体展示物や映像でわかりやすく紹介しています。各時代を代表する建物や景観の再現により、当時の雰囲気を体験できます。

高松松平家歴史資料コーナー
江戸時代に高松藩を治めた大名高松松平家の国宝や文化財をはじめ、その暮らしや文化を物語る歴史資料を展示します。参勤交代などで使われた藩主専用の御座船(ござぶね)「飛龍丸(ひりゅうまる)」の中にある豪華絢爛な「御座の間」も再現しています。

触れられる衆鱗図
高松松平家に伝わる「高松松平家博物図譜(はくぶつずふ)」は、微細な線と素材や彩色を駆使した質感表現で知られています。
1階ロビーには、そのうち魚類図鑑「衆鱗図(しゅうりんず)」を複製した陶板を展示。その描写力を間近で見て触れることができます。

イサム・ノグチ
世界的に活躍した彫刻家イサム・ノグチは、晩年香川県高松市にアトリエを構えました。当館が収蔵する光の彫刻《AKARI》シリーズや石彫作品をイベントや展覧会にあわせて不定期に展示しています。
瀬戸内海の海洋民俗(分館)
五色台山上の瀬戸内海歴史民俗資料館は、漁業や船大工などの民具の展示を通して瀬戸内地方の生活文化を紹介しています。約6,000点の民具が国の重要有形民俗文化財に指定されるとともに、1973年竣工の建物が2024年に国の重要文化財に指定されました。