第68回日本伝統工芸展
今回の高松展では、重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品45点をはじめ、受賞作品及び四国在住作家の入選作品など計200点を展示します。このうち、香川在住作家の作品が18点あります。
会期
開館時間
午前9時~午後5時
(入館は閉館の30分前まで)
休館日
会期中無休
会場
開催組織
主催
香川県立ミュージアム、香川県教育委員会、公益社団法人日本工芸会、NHK高松放送局、朝日新聞社、日本伝統工芸展高松展実行委員会
今回の見どころ
- 人間国宝(重要無形文化財保持者)の作品45点を展示
- 香川の人間国宝(重要無形文化財保持者)
山下義人氏、大谷早人氏の作品も展示 - 日本工芸会総裁賞受賞作品など入賞16点を展示
- 漆芸部門の入選作品78点が全部見られるのは東京と高松だけ
- 新春恒例1月2日から開幕&会期中無休
関連イベント
新型コロナウイルスの感染症の感染状況により、各種行事の実施については変更することがあります。最新の情報につきましては当館ホームページ等をご確認ください。
(1)講演会「籃胎蒟醬(らんたいきんま)―僕と太田先生との思い出―」
籃胎蒟醬の魅力、師である太田儔(ひとし)先生との思い出等をお話しいただきます。
| 日時 | 令和4年1月8日(土曜日)午後1時30分~午後3時 |
|---|---|
| 講師 | 大谷早人(重要無形文化財「蒟醬」保持者) |
| 会場 | 地下1階講堂 |
| 定員 | 100名(要事前申込・先着順)無料 |
| 備考 | 学芸講座チラシ |
(2)陳列品解説
日本工芸会四国支部会員等による陳列品解説動画を当館公式YouTube・チャンネルで配信します。
(3)うるしの器でほっと一息
漆の器で会期中限定メニュー「あんもち雑煮」を楽しめます。(飲食代別途必要)
| 日時 | 本展会期中 |
|---|---|
| 場所 | 香川県立ミュージアム1階カフェポット・ミュゼ |
| 協力 | 漆の家、NPO法人アーキペラゴ |
(4)子どものための伝統工芸パンフレット作成・配布作成
県内在住作家6名の出品作品および制作活動について紹介するパンフレットを作成し、県内小学校の4~6年生及び来場した子どもたちに配布します。
(5)主な展示作品
日本工芸会総裁賞
風通織木綿着物(ふうつうおりもめんきもの)
「青海(おうみ)」
小林佐智子(こばやしさちこ)
日本海の深い青に、岩に打ち砕かれてきらめく白い波。藍の濃淡に白を加えた十色の糸を経緯に、計百色の矩形を長短とり混ぜてモザイクのように構成している。グラデーションを横一列に揃えたことで全体が整理され、遠目にもわかる立体感と奥行を生み出すとともに、誰しもの目をひく織の強さを生かした作となった。
(岐阜県美術館副館長兼学芸部長正村美里)
高松宮記念賞
木芯桐塑和紙貼(もくしんとうそわしばり)
「蒼天(そうてん)」
高田和司(たかだかずもり)
伝統的な放鷹術を継承する鷹匠の姿。天空の鷹を追うまなざしには、鷹との強い信頼関係が感じられる。和紙の風合いを活かし、殊に股引には扱いの難しい揉紙を巧みに用いている。作者は仏師であり、人形の道にはまだ三年程というが、人形と仏像との深い縁を思えば出会いも必然、通底する技と心がここに結実したのである。
(日本人形文化研究所長林直輝)
文部科学大臣賞
黒檀嵌荘匣(こくたんがんそうばこ)
「深山の彩(みやまのいろどり)」
三浦信一(みうらしんいち)
黒檀の美しさを生かしつつ、精緻な文様を象嵌した指物の箱である。なだらかな角度に接がれた蓋の上部は山の稜線を描き、錫の細線は交錯する光や真冬の氷晶の煌きを、碧(あお)く染めた鹿角と紅(こう)木(き)は移ろいゆく季節を表している。正倉院宝物の研究を礎に、自然から受けた感動を現代のかたちへと昇華させた創造性豊かな優品である。
(栃木県立美術館主任研究員鈴木さとみ)
東京都知事賞
蠟型鋳銅花器(ろうがたちゅうどうかき)
髙橋阿子(たかはしあこ)
「七十にして矩(のり)を喩(こ)えず」と孔子は語っている。経験を積めば、自由にしていても規範から外れることはないという意味だが、髙橋さんの蠟型鋳造技法はその域に達している。蜜蠟の柔軟さが生む歪んだ器形、蜜蠟の飴細工のような線とそれを折り返したときにできるヘソのような凹(くぼ)み。フリーハンドによる蠟型技法の醍醐味!!
(東京都庭園美術館長樋田豊郎)
NHK会長賞
乾漆箱(かんしつはこ)「新雪(しんせつ)」
水口咲(みずぐちさき)
夜中に降り積もったばかりのふんわりとした軽(かろ)み。朝、目にした新雪のさまが絶妙に形づくられている。蓋は前面に向かってなだらかに傾斜し、胴張り、角丸という曲面で構成される。不定形の極みを自然に身に収斂させる難しさ。これを微塵も感じさせないところが実はすごい。その清爽な姿を、美しい塗肌と共に堪能して欲しい。
(根津美術館学芸員永田智世)
朝日新聞社賞
乾漆銀平文はちす箱(かんしつぎんひょうもんはちすばこ)
しんたにひとみ
漆黒と銀の高潔な輝きが麗しい。その精密に切り透かした銀平文の美しい配列と側面のフォルムから作品名の「蜂巣」を見いだすことは容易(たやす)いが、ここで正倉院の「銀平脱鏡箱」が想起できると、観者の理解は一気に深まる。交錯する古典と現代(いま)、内外で展開するクロスズメバチの物語。張り巡らされた伏線の回収に心躍る作品。
(根津美術館学芸員永田智世)
- 作品の解説文は、「第68回日本伝統工芸展」図録掲載の審査講評から引用しています。