藤原佐理筆詩懐紙 ふじわら さり(すけまさ)ひつ しかいし 作者 藤原 佐理(ふじわら さり、1944-1998) 時代 平安時代 10世紀 品質・員数 紙本墨書 1幅 法量(cm) 縦32.0 横45.0 分類 書 指定区分 国宝 資料群名 高松松平家 資料 収蔵番号 MY0#00001 解説 懐紙とは、貴族が衣服の懐に忍ばせて用いた「ふところがみ」であり、そこに詩文を書き記したものを「詩懐紙」と呼ぶ。小野道風(とうふう・みちかぜ)、藤原行成(こうぜい・ゆきなり)とならんで書の名手とされた藤原佐理が、安和2年(969)の3月14日に、祖父の太政大臣藤原実頼(さねより)が主催した詩歌(しいか)会で、自ら詩を詠んで清書した。課題は「隔水花光合(水を隔てて花光合う)」であり、和歌・漢詩いずれも許される「倭漢任意」の体裁であった。佐理は七言絶句を選び、桜花が水面に映える春景を題材とした。この時、佐理は26歳。現存する遺作のうち最も若い時期の書であるとともに、現存最古の詩懐紙である。小野道風の書風の影響を受けつつも、細く軽やかな運筆は和様への萌芽をみせている。高松藩主松平家に伝来した。 読みくだし暮春、同じく「水を隔てて花光合う」を賦す。 教に応ずる一首。絶句体を為す。倭漢任意 右近衛権少将佐理花脣は語らず、ひそかに思いを得る。水を隔てて、紅桜は光暗に親しむ。両岸の芳菲(ほうひ・草花)は浪上に浮かび、流れる(ように飛ぶ)鶯は、尽日(じんじつ)、残春をしらす。 関連作品 清拙正澄墨蹟 平心字号 後水尾天皇宸翰女房奉書 法華経 後陽成天皇宸翰御消息 作品をさがす リセット キーワード検索 分類 すべて 絵画(国内) 絵画(国外) 彫刻 工芸 書 デザイン 民俗資料 その他 指定区分 すべて 国宝 重要文化財 重要美術品 県指定 市町指定 検索
解説
懐紙とは、貴族が衣服の懐に忍ばせて用いた「ふところがみ」であり、そこに詩文を書き記したものを「詩懐紙」と呼ぶ。
小野道風(とうふう・みちかぜ)、藤原行成(こうぜい・ゆきなり)とならんで書の名手とされた藤原佐理が、安和2年(969)の3月14日に、祖父の太政大臣藤原実頼(さねより)が主催した詩歌(しいか)会で、自ら詩を詠んで清書した。課題は「隔水花光合(水を隔てて花光合う)」であり、和歌・漢詩いずれも許される「倭漢任意」の体裁であった。佐理は七言絶句を選び、桜花が水面に映える春景を題材とした。この時、佐理は26歳。現存する遺作のうち最も若い時期の書であるとともに、現存最古の詩懐紙である。小野道風の書風の影響を受けつつも、細く軽やかな運筆は和様への萌芽をみせている。高松藩主松平家に伝来した。
読みくだし
暮春、同じく「水を隔てて花光合う」を賦す。
教に応ずる一首。絶句体を為す。倭漢任意
右近衛権少将佐理
花脣は語らず、ひそかに思いを得る。
水を隔てて、紅桜は光暗に親しむ。
両岸の芳菲(ほうひ・草花)は浪上に浮かび、
流れる(ように飛ぶ)鶯は、尽日(じんじつ)、残春をしらす。