名品選

最終更新日:2026年1月31日

彫漆蒟醬草花文鼓箱
ちょうしつ きんま そうかもん つづみばこ

作者
磯井 如真(いそい じょしん、1883-1964)
時代
昭和6年(1931)
品質・員数
漆 1合
法量(cm)
縦45.6 横30.8 高27.8
分類
工芸
収蔵番号
MY0#01509

解説

黒漆を塗り重ね、蓋表と身の側面に草花文、面取り部分に幾何学文を彫り出す。さらに花や葉には金の点彫り蒟醬(漆面に蒟醤剣で文様を彫り、色漆を埋め、表面を平らに研いで文様を表現する技法)で装飾を加える。草花文の単純化された意匠等に、構成主義やアール・デコの影響が見られる。
作者は香川郡宮脇村(現・高松市)生まれ。香川県立工芸学校(現・香川県立高松工芸高等学校)用器漆工科卒業。明治から昭和(戦前)にかけて世界を舞台に活躍した大阪の東洋古美術商の山中商会に入り、中国や日本の古美術品修理等に従事し、塗りや加飾の技法を学んだ。岡山大学教授、香川県漆芸研究所員等として、後進の育成にも尽力した。昭和31年(1956)、重要無形文化財「蒟醬」保持者認定。本作品は、第12回帝国美術展覧会(帝展:帝国美術院主催の官展)入選作。
讃岐漆芸の祖・玉楮象谷(たまかじ ぞうこく)の作品を通じて研究を重ね、網目凸版印刷の方法に着目し、点の大小と粗密によって濃淡をつけ、奥行と立体感を表現する「点彫り蒟醬」の技法を創案した。