名品選

最終更新日:2026年2月23日

彫漆蔓龍胆文箱
ちょうしつ つるりんどうもん はこ

作者
音丸 耕堂(おとまる こうどう、1898-1997)
時代
昭和61年(1986)
品質・員数
漆 1合
法量(cm)
縦30.5 横28.0 高6.7
分類
工芸
収蔵番号
BK1#01290

解説

彫漆(色漆を塗り重ねた面を彫刻刀で彫って文様を浮き出す技法)を用いて、蓋表中央にツルリンドウの花や蕾(つぼみ)が描かれ、その左右に大きく葉が拡がる。自然を丹念に観察し、それをデザインへと昇華させている。用いられる紫や白の漆は、作者がいち早く取り入れたレーキ顔料(染料を金属塩と反応させるなどして作成したもの)によるもので、これにより色彩の表現領域が広がった。
作者は高松市生まれ。彫りの名手である石井馨堂(1877-1944、いしい けいどう)の内弟子として彫りの技を学び、讃岐漆芸の祖・玉楮象谷(たまかじ ぞうこく)の作品を研究し、彫漆の道に進んだ。帝国美術展覧会(帝展:帝国美術院主催の官展)、新文部省美術展覧会(新文展:文部省主催の官展)を中心に活躍。社団法人日本工芸会の創立に参加し、その後、日本伝統工芸展、日本伝統漆芸展で活躍した。昭和30年(1955)、重要無形文化財「彫漆」保持者認定。