名品選

最終更新日:2025年12月31日

能面 大癋見
のうめん おおべしみ

作者
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時代
江戸時代 17-18世紀
品質・員数
木造 1面
法量(cm)
縦22.1 横16.9 厚11.3
分類
彫刻
収蔵番号
MY0#00372

解説

江戸時代、能は幕府の式楽(しきがく・儀式用の芸能)として位置づけられ、武家の年中行事や儀礼においては欠かせない芸能であった。そのため、各大名家には、謡本(うたいぼん)はじめ、面(おもて)や楽器・衣裳など、上演に必要な能道具が一定数備えられていた。高松藩主松平家は喜多流(きたりゅう)の能をたしなみ、城内に能舞台を設け、役者、楽師なども抱えられていた。
「癋見(べしみ)」とは、口をヘの字形に強く結ぶ「へしむ」に由来する。吽形(うんぎょう)系の鬼神(きじん)面のひとつで〈鞍馬天狗(くらまてんぐ)〉などの天狗役に用いられる。
収納木箱のフタ裏に貼られた文書に、将軍徳川家8代吉宗(よしむね)が「毛描(けが)き」つまり、眉や髭を描いたと記されている。吉宗の次男・宗武(むねたけ)を祖とする御三卿(ごさんきょう)の田安徳川家の所有品であったが、近代に入り、宝生(ほうしょう)流の能楽を愛好した、旧高松藩主松平家12代頼壽(よりなが)が入手した。