名品選

最終更新日:2025年12月31日

両界曼荼羅図
りょうかい まんだら ず

作者
時代
室町時代 15世紀
品質・員数
絹本着色 2幅1対
法量(cm)
縦81.8 横68.7
分類
絵画(国内)
収蔵番号
B99000911

解説

両界曼荼羅は、真言密教の根本経典である『大日経(だいにちきょう)』と『金剛頂経(こんごうちょうぎょう)』の教義を視覚化したものである。胎蔵界(たいぞうかい、正式名「大悲胎蔵生曼荼羅」、たいひたいぞうしょうまんだら)と金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)の2幅が対となり、密教の儀式では東西に並べて安置され、修法のよりどころとされた。
曼荼羅は、密教の世界観を仏の姿や諸尊の配置によって示す図絵であり、慈悲の広がりを表す胎蔵、悟りへの道筋を表す金剛界の2幅からなり、修行者がそれを観想することで悟りへの道を体得できると考えられた。とくに両界曼荼羅は、真言宗の根本道場である高野山や東寺をはじめ、全国の真言寺院に必ず備えられるものとなり、多くの模本や複製が作られた。精緻な彩色を施した大規模な絵画だけでなく、本図のように木版を用いた印刷をもとに、着彩した簡便な曼荼羅も流布し、密教の重要な法具として、修法や学習、信仰の広がりを支えた。