名品選

最終更新日:2026年2月23日

彩色蒟醤料紙硯箱
さいしき きんま りょうし すずりばこ

作者
玉楮象谷(たまかじ ぞうこく、1806−69)
時代
江戸時代 嘉永7年(1854)
品質・員数
木、漆・2合1具
法量(cm)
(料紙箱)縦40.2 横31.3 高11.2(硯箱)縦26.0 横20.8 高6.3
分類
工芸
指定区分
県指定
収蔵番号
MY0#01498、MY0#01499

解説

玉楮象谷は、高松藩主松平家9代頼恕(よりひろ)、10代頼胤(よりたね)、11代頼聡(よりとし)に仕えた漆工職人で、中国や東南アジア伝来の漆工品を探求し、自身の彫技を活かした独自の、彫漆(ちょうしつ)・蒟醬(きんま)・存清(ぞんせい)の3つの香川漆芸技法の基礎を確立した。
蒟醤は、専用の小刀「剣(けん)」で文様を彫り、彫り跡に色漆を埋め込んで平らに研ぎ出す技法である。
手紙用の用紙を入れる料紙箱と硯・筆などの文房具を収める硯箱からなる一具で、頼胤のために制作された。硯箱の内には下水(げすい)板を敷き、硯、鴨形水滴(すいてき)、さらに黒漆地に葵の家紋を金蒔絵(まきえ)で施した刀子・錐・筆2本を収める。
素地は木枠に竹を編んだ網代(あじろ)を張り付けた籃胎(らんたい)で、外面には黒漆地に朱・黄・緑・褐色の色漆を用いて多様な文様を表す。獅子や鳳凰といった霊獣、寿字・太陽と月・コウモリなどの吉祥図像、さらには植物文、鋸歯文、連弧文などの幾何学文が緻密に組み合わされている。