名品選

最終更新日:2026年2月25日

堆黒松ヶ浦香合(山・農・風)
ついこく まつがうら こうごう

作者
玉楮象谷(たまかじ ぞうこく、1806-69)
時代
江戸時代 嘉永4年(1851)
品質・員数
木、漆・3合
法量(cm)
(山)径8.6 高2.4 (農)径8.6 高2.4 (風)径8.6 高2.4
分類
工芸
指定区分
重要美術品
収蔵番号
MY0#01506、MY0#01507、MY0#01508

解説

玉楮象谷は、高松藩主松平家9代頼恕(よりひろ)、10代頼胤(よりたね)、11代頼聡(よりとし)に仕えた漆工職人。中国や東南アジア伝来の漆工品を探求し、自身の彫技を活かした独自の、彫漆(ちょうしつ)・蒟醬(きんま)・存清(ぞんせい)の香川漆芸技法の基礎を確立した。
本作品は、漆を厚く塗り重ねて文様を刻む彫漆技法により制作された。黒漆の層に藤原定頼(さだより)が讃岐へ行く人に送ったという和歌と貝殻文様を彫り、朱の地には青海波文をあしらう。
底面には「象谷造」の銘があり、制作記録である「御用留(ごようどめ)」から嘉永4年(1851)に藩主頼胤の命により18合が作られたことがわかる。各香合の蓋や身の合わせ部分には和歌の1字が隠し彫りされ、高松藩主松平家伝来の3合には「山」「農(の)」「風」が刻まれる。いずれの収納箱にも、武者小路千家の千宗守により「狭貫彫堆黒 松ヶ浦香合 十八之内」と箱書がされる。