名品選

最終更新日:2026年1月28日

一角印籠
いっかくいんろう

作者
玉楮象谷(たまかじ ぞうこく、1806−69)
時代
江戸時代 天保10年(1839)
品質・員数
一角、犀角・2合1具
法量(cm)
縦8.6 横(幅)5.5 奥(厚)2.9
分類
工芸
指定区分
重要美術品
収蔵番号
BK1#01413

解説

玉楮象谷は、高松藩主松平家9代頼恕(よりひろ)、10代頼胤(よりたね)、11代頼聡(よりとし)に仕えた漆工職人。中国や東南アジア伝来の漆工作品を探求し、自身の彫技を活かした独自の、彫漆(ちょうしつ)・蒟醬(きんま)・存清(ぞんせい)の3つの香川漆芸技法の基礎を確立した。
一角印籠は藩主の頼恕が用意した一角(ウニコール)材に象谷が“彫る手間”を献上したもので、驚異的な細密さでハスの葉や花、太湖石をはじめ、カニ、カメ、トンボ、スズメなどのさまざまな動植物を彫り出している。収納箱の蓋裏に記された象谷の墨書によると、彫り出した動植物の総数は1086で、うち生類(しょうるい)数は999。
印籠の黒犀角(さいかく)製の内容器に刻まれた「華中君子(かちゅうくんし)」の言葉は、清らかなハスを意味する。古代中国の賢人で釣り好きで知られる太公望(たいこうぼう)の姿をあらわす根付(ねつけ)も象谷作。彫技にすぐれていた象谷の逸品である。