名品選

最終更新日:2026年2月26日

法華経
ほけきょう

作者
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時代
平安時代 12世紀
品質・員数
紙本墨書(表紙)紫紙銀切箔散 8巻
法量(cm)
(巻1)縦25.2 全長954.5(巻2)縦25.3 全長1110.4(巻3)縦25.4 全長1042.3(巻4)縦25.4 全長917.0(巻5)縦25.2 全長992.2(巻6)縦25.3 全長961.3(巻7)縦25.5 全長894.0(巻8)縦25.3 全長802.4
分類
指定区分
重要文化財
収蔵番号
MY0#00002

解説

仏教経典のひとつである『法華経』は平安時代には王朝貴族のあいだに広く受容された。とりわけ「悪人や女人も成仏できる」と説く教えは、人々の信仰を強く惹きつけ、経典の書写が盛んに行われた。経典の書写は功徳を積む行為とされ、財を惜しまず華麗に荘厳(しょうごん)された。この経巻もその一例であり、全8巻が揃って伝来し貴重である。
経文(きょうもん)は上質な料紙(りょうし)に、銀の界線内に記され、1字1字は細く端正に運筆されている。界線上下の余白に、飛翔する天人、霞(かすみ)、蓮池、花鳥、草木などが銀泥(ぎんでい)で軽やかに描かれる。さらに経文の下にも草木や蝶、鳥、風に舞う蓮の花びらが描き込まれ、文中には朱の句読点や訓点が施され、実際に読誦(どくじゅ)されたことが想像できる。
各巻冒頭に付された紫色の見返しには、金銀の切箔(きりはく)を散らす中に、銀を主体に白緑・緑青・群青・朱などの彩色で、釈迦の説法(せっぽう)場面など仏教説話が優美に描かれている。
巻末に「志ん女かく」などの奥書があることから、制作に女性が関与した可能性が指摘されている。
高松藩主松平家に伝来した。