名品選

最終更新日:2026年2月16日

高松松平家博物図譜 のうち 衆鱗図
たかまつ まつだいらけ はくぶつ ずふ のうち しゅうりんず

作者
時代
江戸時代 18世紀
品質・員数
紙本着色・画帖装(折本形式)・4帖
法量(cm)
(第1)縦33.0 横48.2
分類
絵画(国内)
指定区分
県指定
収蔵番号
MY0#01080

解説

「衆鱗図」は、高松藩主松平家に伝来する4種13帖の博物図譜のひとつで、4帖の画帖からなる水生生物図鑑である。鳥を描く「衆禽画譜」2帖、植物を描く「衆芳画譜」4帖と「写生画帖」3帖とあわせ、2,141図が収録される。
魚類の姿は生物学的特徴を的確に捉え、銀箔(ぎんぱく)を用いた光沢表現や、輪郭に沿った切り抜き、盛り上げ彩色など多彩な技法によって精緻に描かれている。
博物学好みで知られた高松藩主松平家5代頼恭(よりたか・1711-71)の命を受け、平賀源内が関わったと推測される。18世紀半ば、本草学(ほんぞうがく、中国の薬草学にならって日本に自生する動植物を探求する学問)への関心が高まるなかで、多くの博物図譜が作られたが、高松藩主松平家の図譜が写されるなど、広く影響を与えた。とくに水生生物の本図譜は「衆鱗手鑑(しゅうりんてかがみ)」の名で幕府に献上され、その目録が本図譜とともに伝わる。
また全4帖のうち第2帖は「写生画帖」とともに長崎に持ち込まれ、滞在中の中国人に漢名などを尋ねている。赤い貼紙の墨書は、松平家側の説明や質問であり、台紙や見返しに記された墨書は中国人の回答と考えられる。